Shibuya Sign Project

東京都渋谷区

渋谷駅は、4社8線の鉄道路線が接続し、一日約300万人以上が利用する世界でも有数の大規模ターミナルである。

しかしながら、渋谷駅はこれまで増改築が繰り返され、立体的で複雑な構造となり、防災面からの課題も有していた。こうした状況を克服すべく、100年に一度といわれる大規模な再開発計画が始動。鉄道事業者、開発事業者、それに行政を含め渋谷駅周辺のまちづくりに関わる関係者が、お互いの垣根を越え、来街者の視点でサインを見直し、誰もがわかりやすい駅環境の実現を目指した。

公共通路において、これまで事業者間で異なっていたサインのデザイン統一化と表示内容の共通化が図られ、新規開業する施設への適用、さらには渋谷区の設置するまちのサインとも連携し、駅で見た地図と同じ地図で、まちの中でも探索・確認ができるよう、公民連携のサインシステムが実現した。

渋谷区は、『ちがいをちからに変える街、渋谷』をスローガンに、国内外から訪れる多くの人々が、渋谷を巡り歩いて楽しめるような公共サイン整備を目指している。渋谷駅周辺および渋谷駅構内にも共通の地図サインが設置された。

これらのサインは来街者に対し、街や各施設等へのわかりやすい案内・誘導を行うこと、経路を把握するための手がかりとなることを目的とし、表記・表示要素の共通化、色彩の統一化、外国語表記の標準化が図られた。さらに、渋谷駅周辺から始まり、原宿駅・千駄ヶ谷駅周辺についても整備され、今後渋谷区全体に整備エリアが広がる予定である。

第54回日本サインデザイン賞
大賞/経済産業大臣賞

Photo: Kazuki Imoto & Hayato Wakabayashi